大手ストックフォトサイトや検索エンジンの動向を追うと、フード系グラフィックの中でもカレーライスの検索ボリュームは年間を通して高い水準を維持し続けています。多くのクリエイターが口を揃えるカレーライスイラスト人気の理由は、一目見ただけで感情と生理現象を揺さぶる「記号としての圧倒的な強さ」にあります。
Webマーケティング会社でバナー制作を手がけるアートディレクターは、現場の数値を交えて次のように明かします。「飲食系キャンペーンのクリエイティブ検証において、同じ構図でパスタ、ラーメン、カレーを比較テストした際、クリック率(CTR)でカレーが他を平均15〜22%上回るデータが出ました。老若男女を問わず味のイメージが瞬時に脳内再生され、空腹中枢を刺激しやすい色彩が揃っているためです」。
色彩心理学の観点からも、カレールーの深い茶色やスパイスの黄色、トッピングの福神漬けの赤は、人間の食欲を喚起する暖色系の王道です。ハンバーグやステーキと比べて「ご飯とお皿とルー」の対比が明確で、小さなスマートフォン画面のサムネイルであっても輪郭がぼやけません。情報伝達のスピードがシビアに求められる昨今のデザイン環境において、この視認性の高さこそが選ばれ続ける本質的な要因です。