祇園や清水寺周辺が多言語の喧騒に包まれる中、この広大な緑地は一線を画す。あえて大規模な物販や派手な商業演出を避け、「静けさ」そのものを空間の価値として提供する試みが注目を集めている。
玉砂利を踏みしめる「ジャリ、ジャリ」という足音。風が吹き抜ける松林の羽音。こうした聴覚的な心地よさを守るため、苑内での大声によるツアーガイドや拡声器の使用には自粛要請が出されている。混雑に疲弊した外国人旅行者からも「京都で唯一、自分を取り戻せる場所」と評判だ。賑やかさではなく静寂を買い求める旅行者の増加が、観光政策の新たな指針を示している。