ネット上の掲示板やSNSでは、南から生息域を広げるサツマヒメカマキリに対して「特定外来生物なのか?」「見つけたら在来種を守るために駆除すべきか?」といった極端な言説が散見されます。しかし、これらは生態学的な事実関係を誤認した情報です。
まず法的な位置づけとして、サツマヒメカマキリは外来生物法における「特定外来生物」ではありません。元々日本国内(南西諸島・九州等)に自然分布していた純粋な国内在来種であり、気候変動や植樹に伴う「国内外来(国内における分布域の移動)」という区分に属します。
また、生態系への破壊的影響についても、現時点ではオオカマキリやハラビロカマキリといった大型種を駆逐するような力関係にはなく、極小の樹上昆虫を捕食するニッチ(生態的地位)に収まっています。近縁なヒメカマキリとの交雑や競合については継続的なモニタリングが進められていますが、個人が無差別に駆除する必要は一切ありません。
【プロの結論】飼育に向いている人・慎重になるべき人の判断基準
サツマヒメカマキリの飼育は、向き不向きがはっきりと分かれます。
- 飼育に向いている人:ショウジョウバエや微小コオロギなど「生きた極小餌」を常にストック・管理できる人。省スペースで繊細な擬態行動や脱皮のプロセスをじっくり観察したい人。
- 飼育に慎重になるべき人:人工飼料や乾燥餌だけで手軽に飼いたい人(生餌以外はほぼ捕食しません)。大型カマキリのようなダイナミックな捕食シーンを期待している人。生餌の確保が途切れると数日で餓死するリスクがあります。