日馬富士の転身を語る上で避けて通れないのが、2017年秋に発生した傷害事件とそれに伴う引退劇です。鳥取巡業中の宴席で後輩力士の貴ノ岩に対して手を上げた責任を取り、横綱審議委員会の処分を待つことなく自ら潔く現役を退きました。ファンの間にはその早すぎる幕引きを惜しむ声が強く残りました。
一方、事件の当事者であった元幕内・貴ノ岩もその後、自身の付け人への暴力問題により角界を引退。双方が土俵を去ることとなりましたが、両者の間では法的な解決とともにすでに直接の対話と謝罪が行われ、現在では確執は完全に解消されています。
貴ノ岩も現在はモンゴルに帰国して新たな生活を営んでおり、過去の痛ましい出来事を乗り越え、双方がそれぞれのセカンドキャリアに向き合っています。日馬富士自身も「あの挫折があったからこそ、人を育てる教育の重要性に命を懸ける覚悟が決まった」と周囲に語っており、苦難を糧に人間的成長を遂げたことが現在の成功の原動力となっています。