命がけの復活シリーズは、物語全体の核心である「黒の組織」との対決における重要伏線が凝縮された長編でもある。蘭はコナンの正体が新一ではないかと強い疑念を抱き、負傷したコナンに自らの血液型を一切の迷いなく提供する。この命を分かち合う行動によって、コナンは正体が露呈しかける最大のピンチを迎えた。
灰原哀が拳銃を向ける虚構の脅迫劇や、新一とコナンが同時に存在するかのように見せるトリックなど、組織の影を感じさせつつ難局を切り抜けるサスペンス要素は秀逸の一言だ。APTX4869の試作解毒薬が持つ副作用と時間制限という制約は、後の組織との攻防戦における貴重なデータともなった。緊迫した学園祭の裏で動いていた緻密な謀略こそ、本シリーズの真の魅力と言える。