テレビ局のドラマ制作プロデューサーや演出陣に対して取材を進めると、名脇役・北見敏之に対する評判は軒並み極めて高いものとなっています。その理由は大きく分けて3点あります。
第1に、「過剰に叫んだり大立ち回りを演じたりしなくても、たたずまいだけで空気の温度を下げられる稀有なトーンコントロール能力」です。第2に、「主役を引き立てる立ち位置の正確さ」。北見敏之が冷酷であればあるほど、相対する刑事や主人公の正義感が鮮明に浮かび上がります。そして第3に、現場での徹底した台本読み込みと謙虚な立ち居振る舞いです。画面上では視聴者を震え上がらせる悪役を演じながら、撮影裏のスタッフや若手共演者に対しては極めて紳士的で物静かであるという証言は多く、そのギャップがスタッフ陣に「次もまた北見さんに頼みたい」と思わせる原動力となっています。