白根誠氏の歩みは、一人の熱狂的なファンとしての情熱から始まった。先代・中本正氏が体調不良で閉店を決めたとき、誰よりも絶望したのは白根氏本人だったという。「あの味がなくなったら生きていけない」。その一心で会社員を辞め、先代のもとへ何度も通い詰めて修行を許された。この執念がなければ、今日の「蒙古タンメン中本」は存在しなかった。
暖簾分けという形で店を再建して以降、白根氏は独自の経営センスを発揮する。単に辛いだけでなく、味噌のコクと野菜の甘みが絶妙に絡み合う「辛旨(からうま)」という新ジャンルを確立。瞬く間に店舗網を拡大し、行列の絶えない超人気店へと押し上げた。