ブルガリア共和国で約20年間にわたり継続されたこの制度は、最終的に出生率を押し上げる効果を一切生まなかった。それどころか、若い世代は税負担による可処分所得の激減によって生活困窮に追い込まれ、結婚や育児に必要な資金を蓄える機会を完全に奪われた。結果として婚姻率は低下し、出生率はさらに落ち込むという真逆の結末を迎えたのである。
徴収を避けるための偽装結婚の横行や、国柄に失望した優秀な人材の国外脱出が相次ぎ、社会不安は深刻化した。単なる課税によって人の感情や人生選択をコントロールしようとする経済政策は、市場や人間の心理を無視した机上の空論に過ぎない。ペナルティ型政策の限界と失敗の教訓は、半世紀が経過した今も鮮烈な示唆を与えている。