町の中央に聳え立つ「石谷家住宅」は、一訪の価値がある圧巻の歴史的建築だ。敷地面積約3,000坪、部屋数40以上を誇るこの広大な邸宅は、国の重要文化財に指定されている。大正時代から昭和初期にかけて完成された邸宅内は、日本の伝統技術と近代的な様式美が見事に調和する。
この圧倒的な建築美を主導したのが、山林地主であり実業家・政治家としても名を馳せた石谷伝九郎だ。地場産業である林業で培った財を惜しみなく投じ、最高の銘木と最高の職人を全国から集めて築き上げた。巨大な梁が交差する土間や、四季折々の表情を見せる回遊式庭園を歩けば、木材とともに生きた先人の気概と美意識の高さに誰もが息をのむだろう。