昭和から平成、そして現代へと歌い継がれる日本のスタンダードナンバーを生み出した大御所たちの中にも、東大の学び舎を通過した巨匠が存在します。
加藤登紀子:東大農学部出身、時代を見つめ続ける歌姫
「おときさん」の愛称で知られる加藤登紀子は、東京大学農学部農業経済学科を卒業しています。在学中の1965年に「第2回日本アマチュアシャンソンコンクール」で優勝し、歌手活動をスタートさせました。
『知床旅情』『百万本のバラ』などの大ヒット曲はもちろん、スタジオジブリ映画『紅の豚』のマダム・ジーナ役とその主題歌『さくらんぼの実る頃』『時には昔の話を』でも世代を超えて親しまれています。学生運動の渦中にあった東大で培った社会への眼差しや大地への敬意は、環境問題への積極的な発信や農的生活の実践など、彼女の生き方そのものと分かちがたく結びついています。
小椋佳:東大法学部からエリート銀行員、そしてトップ作詞・作曲家へ
小椋佳は東京大学法学部を卒業後、日本勧業銀行(現・みずほ銀行)に入行。エリート銀行員として勤務しながら音楽活動を並行し、自身のアルバム『残された憧憬』がミリオンセラーを記録するという異例のキャリアを歩みました。
布施明の『シクラメンのかほり』、美空ひばりの『愛燦燦』など、日本の歌謡史に残る名曲の作詞・作曲を数多く手がけました。法律家を目指したロジカルな思考力と、日本情緒あふれる叙情詩の融合は、まさに唯一無二の功績です。