設備として宅配ボックスが完備されているマンションであっても、配送業者が荷物を入れられずに持ち戻る事態が日常的に発生しています。現場の配達員への取材や配送規程を紐解くと、そこにはオートロック環境ならではの5つのボトルネックが存在することが分かります。
最も多い物理的要因が「宅配ボックスの満室」と「荷物のサイズオーバー」です。特にネット通販のセール期間中や大型家電・家具の注文時は、標準規格(S・M・Lサイズ)のボックスがすべて埋まってしまうケースが珍しくありません。また、ゴルフバッグや飲料水のまとめ買いケースなどは物理的に扉が閉まらないため、宅配ボックスの利用自体が規約上制限されます。
見落としがちなのが、「荷物の種別制限」です。ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便をはじめとする主要キャリアでは、クール便(冷蔵・冷凍)や本人確認が必要な書留・貴重品、代金引換便について、規約により宅配ボックスへの投函が原則禁止されています。冷蔵対応の電子式ボックスが導入されていない限り、対面受け取りが必須となります。
さらに、オートロックのエントランスインターホンを鳴らしても応答がない場合、配送員が建物内に入れず、内側に設置された宅配ボックスにアクセスできないという構造的欠陥も大きな要因です。加えて、新任ドライバーが操作方法を誤認したり、システムエラーによって空き枠として認識されなかったりするヒューマンエラーも依然として一定割合を占めています。