彼女の原点とも言える初期の代表作『アーシアン』は、当時の少女漫画やファンタジー作品の枠組みを大きく揺るがした。天使と地球という壮大なスケールで描かれた同作は、生と死、愛と破壊といった重厚な主題を内包しており、読者の心に深淵な傷痕と忘れがたい美しさを刻みつけたのだ。
その後、株式会社一迅社が発行する「月刊コミックZERO-SUM」にて連載された『LOVELESS』は、彼女のキャリアにおいて確固たる金字塔となった。「耳」と「尾」を持つ独特の身体性、言葉を武器として戦うセンセーショナルな戦闘システム、そして思春期の不確かさと焦燥感を繊細に描き出したこの作品は、日本のみならず世界中に熱狂的なフォロワーを生み出した。
ダークファンタジーの先駆者として、彼女は常に人間心理の暗部と光を容赦なく対比させる。美しい描線で紡がれる容赦のない展開。このコントラストこそが、数多の作品群の中で異彩を放ち続ける最大の理由だろう。