かつて企業の広告といえば、洗練されたモデルの写真や重厚なグラフィックが主役だった。しかし今、金融機関やIT大手、さらには高級消費財メーカーまでもが、脱力感あふれるキャラクターを看板に掲げている。
背景にあるのは、「押し売り感」に対する消費者の鋭い警戒心だ。あまりにキリッとした商業的ビジュアルは、現代のユーザーに緊張感を与えかねない。一方で、肩の力が抜けたイラストは心理的ハードルを一気に下げてくれる。「このブランドは自分たちと同じ目線で話しかけてくれている」という安心感が、顧客エンゲージメントの向上に直結している。親しみやすさは、もはや単なる装飾ではなく、きわめて実利的なマーケティング戦略なのだ。