ジュリーといえば、1970年代から80年代にかけて見せたグラムロック調のメイクやド派手なパラシュート衣装、電飾スーツなど、日本のカルチャー史を揺るがした視覚的パイオニアでした。しかし、60代を迎えた頃からそのビジュアルは劇的な変貌を遂げます。
現在見せている豊かな白髪と豊かな顎髭を蓄えたロマンスグレーの姿は、「最高にいぶし銀でカッコいい」「本物のロックスターの風格」と絶賛されています。髪を染めることもなく、体型の変化を過剰に隠す補正下着を身につけることもありません。シワも白髪もありのままにステージへ晒し出す姿は、かつての美少年像にとらわれない清々しい潔さを放っています。
「見た目を取り繕う暇があるなら、1曲でも多く全力で歌を届ける」。そう語りかけるかのような堂々たる佇まいは、飾り立てることを重しとする現代のエンタメ界において、特異で強烈なリアリティを獲得しています。