なぜこの愛人説は、決定的な証拠がないまま語り継がれてきたのか。その背景には、当時の週刊誌ジャーナリズムと大手メディアの特異な力関係が存在していた。
巨大スポンサーとしての威光を放つ財界トップと、大手芸能事務所の双方に配慮し、週刊誌各社は決定打となる裏付け取材を行えないまま、伏せ字やイニシャルトークを繰り返した。結果として、ファクトチェックを経ない曖昧な記事ばかりが量産される事態を招く。メディアの過度な忖度と沈黙が、逆に「火のない所に煙は立たない」という大衆の心理を刺激し、疑惑の寿命を不自然に延ばす皮肉な結果となった。