インターネット上のレビューやSNSをリサーチすると、大半が高評価である一方で、少数ながら「柔らかすぎてベチャベチャする」「期待したほどの味ではなかった」という意見が見受けられます。なぜこのような評価の乖離が生まれるのでしょうか。
現場取材と調理科学の観点から分析すると、その主たる原因は「大粒米特有の吸水メカニズムと調理方法の誤解」にあります。龍の瞳は粒が大きいだけでなく、細胞組織の隙間が広いため、水分の吸収スピードが一般的な白米の数倍早いです。従来のコシヒカリと同じ感覚でゴシゴシと力任せに研いだり、目盛り通りの水加減で長時間水に浸したりすると、炊飯時に米粒が水分を吸いすぎて表面が崩れ、糊状のベタついた食感になってしまいます。
また、龍の瞳はアミロース含有量が低めで粘りが非常に強い特性を持ちます。そのため、「シャキッとした硬めの粒立ち」や「あっさりした口当たり(ササニシキ系)」を好む層にとっては、粘りと柔らかさが強く感じられ、嗜好のミスマッチが起きやすい構造も背景にあります。正しい炊飯手順を守りさえすれば、大粒ならではの心地よい弾力と濃厚な甘みを完璧に再現可能です。