スポーツニュースの2軍成績速報で「打率.350」や「防御率1点台」をマークしていても、なかなか1軍に呼ばれない選手がいます。ファームの成績がそのまま1軍首脳陣の評価に直結しない理由は、2軍監督や巡回コーチ陣がチェックしているポイントの特殊性にあります。
野手の場合、単に安打を量産しているかではなく、「1軍レベルの150キロ超のストレートや鋭い変化球に対応できるスイングスピードがあるか」、そして「四球を選びボール球を見極めるアプローチができているか」が厳しく問われます。甘い球を仕留めただけのヒットは評価されず、追い込まれてからのファウルでの粘りや、進塁打を確実に打てるチームバッティングの遂行力が昇格の鍵を握ります。
投手においては、ファームの打者をねじ伏せる球威よりも「狙ったコースに投げ分けられるコマンド能力」と「連投した際のリカバリースピード」が最優先されます。2軍監督は、1軍の監督やピッチングコーチと毎日のように密な連絡を取り合い、現在の1軍チームに欠けているピース(左のワンポイント、代走要員、ロングリリーフなど)に最も合致する状態の選手を推薦します。日々の成績の数字の奥にある「内容の質」こそが、昇格の扉を開く決定打となります。