日本各地の神社の中でも、特別な格式を持つ神社ではお賽銭や参拝に関する伝統的な心得が存在する。例えば、日本の総氏神とされる伊勢神宮の正宮では、個人的な私利私欲の願い事ではなく、日頃の平穏に対する感謝を伝えるのが本来のあり方とされる。伊勢神宮の静寂な境内に佇むとき、金額の損得を超えた神聖な対話が生まれる。
また、日本屈指の参拝者数を誇る明治神宮などでは、正月に何百万もの人々が賽銭箱へ向けてコインを投げ入れる光景がおなじみだ。さらに、学問の神様である菅原道真を祀る全国の天満宮には、受験シーズンになると合格祈願の切実な祈念とともに多くのお賽銭が寄せられる。歴史的な背景や祀られている神様の特質を知ることで、自ずと境内で手向けるべき気持ちと金額のあり方が見えてくる。