三木のり平の名を広く一般家庭に浸透させた最大の功績は、1958年から始まった食品メーカー・桃屋のテレビCMシリーズです。「江戸むらさき」や「ごはんですよ!」でおなじみの、丸メガネをかけたユーモラスなアニメキャラクターは、三木のり平本人の顔とキャラクター造形をそのままアニメ化したものでした。
当時としては極めて珍しい「タレントのアニメ化CM」は、本人が声の出演を務めただけでなく、CMのプロットや演出アイデアにまで深く関与していました。古典落語のパロディや世相を風刺した小気味よいギャグは、単なる商品宣伝の枠を超えてひとつの「ショートコントアニメーション」として日本全国のお茶の間を魅了しました。
このCMシリーズは昭和から平成、令和へと時代が移り変わっても放送され続け、同一キャラクターを用いたテレビCMの最長寿記録として、広告史に燦然と輝く伝説となっています。