机上の統計だけでなく、実際に足立ナンバーの車両を日々運転している現役オーナーたちの声に耳を傾けてみましょう。足立ナンバーの評判と口コミを現地取材すると、外野の偏見とは裏腹に、非常に興味深く実利的なエピソードが数多く集まります。
台東区浅草で老舗和菓子店を営み、ドイツ製高級セダンを所有する50代男性は次のように語ります。
「商談や仕入れで都内中を走り回りますが、足立ナンバーだからといって嫌な思いをしたことなど一度もありません。むしろ京都や金沢など伝統ある地方都市に車で行った際、老舗の旦那さんから『浅草の方ですか、下町のお仕事は粋で良いですね』と声をかけられることすらあります。浅草や上野の旦那衆にとって、足立ナンバーは自分たちの商売の歴史と地続きなんです」
一方、足立区内の新興住宅地に分譲マンションを購入し、ミニバンを運転する30代のファミリー層からは、現代ならではの「守られ感」を指摘するリアルな証言も聞かれました。
「地方から上京して初めて車を買った時、ネットで散々『足立ナンバーはヤバい』と書かれていたので少し身構えていました。でも実際に乗ってみると、首都高の合流や狭い路地で無理な割り込みをされることがほとんどないんです。後輩から『他県ナンバーの煽り屋も、足立ナンバーには怖がって車間を詰めてこないから逆に安全ですよ』と笑い話にされましたが、あながち嘘じゃないと感じるくらいトラブルに遭いません」
さらに、大手中古車販売チェーンの査定担当者は、中古車市場におけるリセールバリューの真実についてこう証言します。
「お客様から『足立ナンバーの車は査定が下がるのか』と真顔で聞かれることがありますが、査定額を決定するのは年式、走行距離、内外装のコンディション、整備記録簿の有無だけです。ナンバーの地域名で査定が下がることは100%あり得ません。名義変更をすれば全国どのナンバーにも書き換えられますから、プロのバイヤーがナンバーの地名を気にして仕入れ値を下げることなど絶対にないのです」