日本映画において「アクションができる主演級女優」の系譜は決して多くありません。その希少なポジションを清野菜名が切り拓く契機となったのが、2014年公開の園子温監督作『TOKYO TRIBE』でした。
オーディションの場で監督の挑発に応じ、見事なバク転とアクロバットを披露してヒロイン・スンミ役を勝ち取った逸話は映画ファンの間で語り草となっています。劇中での生々しくアグレッシブなアクションは、単なるスタントの真似事ではない「肉体そのものの説得力」をスクリーンに焼き付けました。
その後、福田雄一監督の『今日から俺は!!劇場版』では、武道師範の娘・赤坂理子役を好演。80年代のレトロなスケバンスタイルに身を包み、ヤンキーたちを軽やかに投げ飛ばす合気道アクションを展開しながら、絶妙なコメディリリーフとしても機能しました。シリアスな殺陣からコミカルな立ち回りまで自在に適応できる柔軟性こそ、彼女が第一線でオファーを受け続ける最大の強みです。