SNSやネット掲示板では「髪を早く伸ばす裏ワザ」として様々な噂が飛び交っていますが、その多くは医学的根拠を欠いているか、重大な誤解を含んでいます。
代表的な俗説が「髪を引っ張ると早く伸びる」「毛先を切ると伸びが早くなる」という説です。物理的に髪を牽引する行為は、毛根を包む毛包組織を傷つけ、牽引性脱毛症や毛周期の強制休止を引き起こす危険な行為に他なりません。また、毛先をトリミングしても毛球部の細胞分裂速度が変わるわけではありません。ただし、枝毛や切れ毛をカットすることで毛先のちぎれ落ちを防ぎ、「結果的に長さが維持されて伸びたように見える」という視覚的恩恵は存在します。
さらに見逃せないのが、髪が伸びない原因としての慢性ストレスです。自律神経が交感神経優位に傾くと末梢血管が収縮し、頭皮の毛細血管への血流が阻害されます。髪は生命維持における優先順位が最も低いため、栄養不足や血流障害の悪影響を真っ先に受けます。「何をしても伸びが遅い」と感じる場合、過剰なストレスによる微小循環の悪化がボトルネックになっているケースが目立ちます。