欧米人とアジア人の遺伝的違いも、乳製品を巡る議論で無視できない要素だ。哺乳類は本来、離乳とともにラクターゼ(乳糖分解酵素)の活性が低下する。大人になっても乳糖を分解できる遺伝的耐性を持つのは、古くから酪農を営んできた一部の地域住民に限られる。
日本人の実に7割から8割が、乳糖を十分に分解できない乳糖不耐症を抱えているとされる。牛乳を飲んだ後に腹部膨満感や下痢、微細な腹痛が生じるのは決して体質だけの問題ではなく、生物学的な必然と言える。未消化の乳糖が腸内で発酵することで、便通の乱れや不快感を引き起こすのだ。