歓楽街の治安維持を担う警察官が、なぜ客として、あるいは関係者としてトラブルに巻き込まれるのか。そこには夜の街特有の罠と、捜査関係者が抱える危うい力学が存在する。
きっかけは些細な遊興であることが多い。だが、相手が摘発対象になり得る違法店やグレーゾーンの店舗であった場合、話は一変する。身分を隠して通い詰めるうちに店側と顔見知りになり、金銭トラブルや恐喝のターゲットにされるケースは後を絶たない。警察官という身分は、裏社会にとって最大の脅迫材料になり得るのだ。
「警察手帳を落とした」「料金トラブルで店側と揉めて通報された」――そんな初歩的な失態から内部調査が始まり、芋づる式に悪質な事実が発覚することも珍しくない。正義の執行者という看板を背負いながら、自ら裏社会の泥沼に足を取られる皮肉がそこにある。