お弁当に入れたピーマンが「苦い」と感じられる最大の理由は、調理時の細胞破壊にあります。ピーマン特有の苦味成分であるクエルシトリンは、細胞壁が壊れて青臭さ成分のピラジンと混ざり合うことで強く感じられる仕組みです。繊維を断ち切る横切りにすると細胞が破壊されて水分と苦味が外に流出しますが、繊維に沿って縦方向に切るだけで苦味の体感度は約30%も低減します。
さらに決定的なのが「油」と「マスキング効果」の活用です。苦味成分は脂溶性の性質を持つため、ごま油やマヨネーズ、豚肉の脂と絡めることで舌の味蕾に直接触れにくくなります。冷めても美味しいピーマンレシピの多くが油炒めや肉巻きを採用しているのは、理にかなった科学的アプローチです。