地元住民の間で激しい議論を呼んだのが、越谷サンシティの再整備計画をめぐる方針転換です。当初、越谷市が掲げていたのは、敷地内の施設を全面的に解体し、地上高層の複合施設や新たな文化交流拠点をPPP/PFI(民間活力導入)手法で一括整備するという野心的な大型プロジェクトでした。しかし、この基本計画は事実上の白紙化・抜本的見直しを余儀なくされました。
計画見直しに至った最大の決定打は、世界的な建設資材の高騰と人手不足に伴う概算事業費の天文学的な膨張です。当初試算されていた予算規模から大幅に上振れし、市債発行額や将来的な維持管理費が越谷市の財政運営を圧迫するリスクが市議会および市民団体から厳しく指摘されました。市が実施したパブリックコメントや住民説明会でも、「ハコモノ行政への過剰投資ではないか」「現存するホールの音響や座席規模を無駄にするべきではない」という現実派の意見が噴出しました。
さらに、商業棟に入居するイオン南越谷および各種専門店との権利調整、区分所有関係の複雑さもハードルとなりました。商業機能を長期間停止させることによる駅前活力の低下を危惧する声も根強く、市長交代や議会審議を経て、「巨額投資による全面建て替え」から「既存ストックの有効活用・段階的改修を視野に入れた現実路線」へと大きく舵が切られたのが計画見直し経緯の真相です。