日本人の英語学習者が極めてつまずきやすいのが、「人」を挟んだ「would like someone to」の構文と、疑問文に対するリアクションです。良かれと思って使った表現が、意図しない摩擦を引き起こす代表例を取り上げます。
1. would like you toの落とし穴と丁寧な言い換え
「あなたに〜してほしい」と言いたいとき、「I want you to do this.」を丁寧にしようとして「I would like you to do this.」と書くケースが散見されます。しかし、ここには重大な落とし穴があります。
いくらwouldを使っていても、この表現は本質的に「指示・命令」のカテゴリーに属します。「私はあなたにこれをしてもらいたい(=やってください)」という意図が透けて見えるため、上司や取引先のクライアントに対して使うと、「部下に指示を出しているかのような無礼さ」を与えてしまうのです。
目上の相手や社外の関係者に対して依頼を行う場合は、以下のように「相手の都合を尋ねる疑問形」への言い換えが鉄則です。
- ❌ 避けるべき(目上へ):I would like you to review this document by Friday.
- ⭕ 推奨される言い換え:Could you please review this document by Friday?
- ⭕ さらに丁重な言い換え:Would it be possible for you to review this document by Friday?
2. would like to疑問文の返答における不自然さ
「Would you like to join us for dinner?(夕食を一緒にいかがですか?)」と誘われた際、学校英語の条件反射で「Yes, I would.」と答えてしまう人が少なくありません。しかし、ネイティブの耳には極めて冷たく事務的な響きに聞こえます。
好意的な招待を受けた際の返答は、感情を乗せたポジティブな表現を使うのがマナーです。
- ⭕ I'd love to! Thank you so much.(ぜひ喜んで!ありがとうございます。)
- ⭕ I'd be delighted to.(喜んでお供させていただきます。)
- ❌ 断る際も単に「No, I wouldn't.」は厳禁:I'd love to, but I have another commitment tonight.(ぜひ伺いたいのですが、今夜はあいにく先約がございまして。)