近年の発掘調査も、この歴史ロマンを力強く裏付けている。奈良県内の古代遺跡から出土した鉄製品や土器の分析が進み、東国・常陸や下総の出土品との化学的類似性が次々と証明されつつあるのだ。
ある考古学研究所のチームは、「大和国から東国へ向かったのは神話上の神々だけではなく、高度な製鉄技術や軍事力を持った集団そのものだった」との分析を打ち出した。大和の拠点で鍛えられた武具と信仰が、太平洋に面した鹿島・香取の地へと移植され、やがて大和政権の東国支配の要石となった。物証が語るドラマは、神話以上にダイナミックだ。