栓抜きがないときの開け方において、すべての基本となるのがテコの原理(支点・力点・作用点)です。瓶ビールの王冠は、約20〜30kgfの引っ張り強度でしっかりと密閉されていますが、適切な支点を作れば人間の握力でも軽々と外れます。
最も確実で器具を傷めにくいのがスプーンを用いた開栓法です。金属製のカレースプーンを用意し、以下の手順で行います。
まず、瓶の首(ネック部分)を利き手とは逆の手でしっかりと握り込みます。このとき、人差し指または親指の第一関節を王冠のすぐ真下にピタリと密着させます。これが「支点」になります。次に、スプーンの先端を王冠のギザギザ(スカート部分)の下に差し込み、握り込んだ指の上に乗せます。あとはスプーンの柄(力点)をグッと押し下げるだけで、「ポンッ」という小気味よい音とともに王冠が跳ね上がります。
喫煙具であるプラスチック製使い捨てライターも極めて優秀な代用ツールです。ライター底面の角を王冠のフチに引っ掛け、スプーンと同様に瓶を握る親指の関節を支点にして一気に押し上げます。支点と作用点の距離を極限まで近づける(数ミリ単位にする)ことが、テコの原理ビール瓶開栓を成功させる最大のコツです。