2026年の考古学は、シャベルとブラシだけの世界ではない。今回発見された木簡の解読には、最新の赤外線マルチスペクトル分析とAIによる筆跡鑑定技術が投入された。
分析の結果、木簡に書かれた文字は頼朝の側近である大江広元の直筆である可能性が極めて高いことが判明した。広元は朝廷との交渉を担った官僚であり、彼が「1192年の将軍宣下」をいかに重視していたかが、データからも裏付けられたことになる。
頼朝は単なる軍事政権のボスに留まるつもりはなかった。朝廷の権威を巧みに利用し、東国を中心とした新しい国家システムを合法的に創り上げようとしていた。そのグランドデザインが完成した瞬間が、やはり1192年だったのだ。