小保方晴子氏が初めて公の場に登場した2014年1月、理化学研究所で行われた記者会見では、祖母から譲り受けたという「割烹着」姿やピンク色に塗られた実験室、ムーミンのキャラクターグッズなどが大々的にアピールされました。この演出は、従来の「無機質な男性科学者」というステレオタイプを打破する斬新なアイコンとして機能し、テレビや新聞各社は一斉に彼女を「リケジョの星」と持ち上げました。
しかし、この過剰なイメージ戦略は諸刃の剣となりました。論文の疑義が浮上すると同時に、メディアの論調は180度反転します。同年4月8日に大阪市内のホテルで開催された釈明記者会見では、濃紺のワンピースとタイトなジャケット姿で登壇し、「STAP細胞はあります」「200回以上作製に成功した」と涙ながらに主張。この会見において、テレビカメラのハイアングル撮影やアップの多用により、彼女の胸元のラインやプロポーションの良さが強調される形となり、ネット掲示板やSNS上で「スタイルが抜群に良い」「隠れ巨乳ではないか」といった本筋とは無関係な議論が一気に噴出しました。
科学の真偽を検証すべき報道現場において、女性研究者の「若さ」「容姿」「スタイル」が過剰なエンタメコンテンツとして消費されていく構図が、この時点で完成してしまったのです。