日本三景と総称される松島・天橋立・宮島ですが、それぞれの景観特性を比較すると明確な個性の違いが浮かび上がります。
京都府北部の天橋立は、砂嘴(さし)によって湾が仕切られた約3.6kmの白砂青松が続く「一本の架け橋」のような幾何学的造形美が特徴です。一方、広島県の宮島は、海上に浮かぶ厳島神社の大鳥居と背後に聳える弥山(みせん)の原生林が織りなす「神仏習合の聖域美」を誇ります。
これらに対し、宮城県の松島の最大の特色は、沈降海岸によって生まれた260余の島々が創り出す多島美と穏やかな海域にあります。島ごとに異なる松の枝ぶりや浸食された凝灰岩の奇岩が、見る角度や天候、光の差し込み方によって千変万化の表情を見せます。静謐さと雄大さを兼ね備えたパノラマ感は、他の二景にはない松島ならではの圧倒的な魅力です。