「匂いが癖になるだけなら実害はないのでは?」と高をくくってはいけない。爪の隙間の環境悪化は、単なるニオイ問題にとどまらず、深刻な皮膚疾患のシグナルである可能性がある。
足病学の第一人者である高山かおる(皮膚科医)をはじめとする専門家や、日本足病医学会などの学術団体は、爪垢の放置や不適切な爪掃除に対して強い警鐘を鳴らしている。爪の間に溜まった角質や水分は、水虫の原因となる「白癬菌(はくせんきん)」にとって最高の栄養源となるからだ。爪の中に白癬菌が侵入して「爪水虫(爪白癬)」を発症すると、爪が黄色く濁って厚くなり、ボロボロと崩れ始める。気になるからといって爪の間を爪切りやピンセットで無理にほじくると、皮膚に微細な傷がつき、そこから白癬菌や黄色ブドウ球菌が侵入して重度炎症を引き起こす危険性がある。