『金曜日の妻たちへ』は好評を博し、設定や配役を変えながら計3つのシリーズが制作されました。それぞれの作品が異なる角度から大人の恋愛と結婚の力学に切り込んでいます。シリーズごとの特徴と変遷を以下の比較表にまとめました。
特に1985年に放映された『金曜日の妻たちへIII 恋におちて』は、シリーズの集大成として空前の熱気をもたらしました。主題歌となった小林明子さんの「恋におちて -Fall in love-」は、オリコン年間チャート1位に輝くなど社会現象化。「ダイヤル回して 手を止めた」というフレーズは、固定電話全盛の時代における大人のもどかしい恋愛心理を象徴するキラーフレーズとして語り継がれています。
金妻のあらすじと最終回の結末において特筆すべきは、安易なハッピーエンドにも、紋切り型の勧善懲悪にも逃げなかった点です。不倫の果てに元サヤに収まるにせよ、離婚を選択するにせよ、一度ひび割れた夫婦関係や友情は二度と完全な元の形には戻らない。そのビターで現実的な幕引きこそが、酸いも甘いも噛み分けた大人の鑑賞に耐えうる重厚さを担保していました。