2026年の今、二人が最も力を注いでいるのが、黒柳が半世紀以上にわたって収集してきた膨大な衣装や美術品のアーカイブ化だ。昭和から平成、そして令和に至るまで、日本のテレビ文化を彩ってきた衣装の数々は、まさに日本文化の生きた歴史そのものである。田川啓二率いる専門チームは、これらの貴重なドレスや着物の修復と保存を緻密な作業で進めている。経年劣化との戦い、特殊な刺繍技術の復元など、課題は山積みだ。しかし、彼らはそれを楽しむかのように乗り越えていく。
未来のクリエイターたちへ本物の美を届けるため、二人の視線は常に数十年後、数百年後を見据えている。単なる個人の所有物にとどまらない「文化資産」への昇華。それこそが、現在の彼らが挑む最も壮大なプロジェクトと言える。