耳瘻孔に細菌感染が起きると、耳前部が赤く腫れ上がり、脈打つような激痛を伴う「急性感染症」へと移行します。炎症が進行すると内部に大量の膿(うみ)が溜まり、皮膚が自壊して破裂することもあります。
一度でも感染を起こした耳瘻孔が自然治癒することは構造上ありません。抗生物質の投与や皮膚切開によって膿を排出すれば一時的に腫れは引きますが、皮下に原因となる袋(嚢胞)が残っている限り、免疫力が低下したタイミングで何度でも再発を繰り返します。感染を繰り返すほど周囲の組織と癒着を起こし、将来的な根治手術の難易度が高まる点に注意が必要です。
赤みや痛みが出始めた段階での初期対処としては、患部を冷やしながら速やかに医療機関を受診し、セフェム系やニューキノロン系などの抗菌薬の内服を開始することが最優先されます。すでに膿が溜まり波動を触れる場合は、局所麻酔下で小切開を加えて排膿(切開排膿術)を行い、まずは急性期の炎症を完全に鎮静化させます。