復路109.6kmの戦いは、箱根駅伝の復路スタート時間である午前8時00分、芦ノ湖の号砲とともに幕を開けます。往路優勝校が最初の一歩を踏み出してから、後続チームが往路のタイム差通りに順次スタートしていきます。
まず序盤最大の勝負所となるのが、標高800メートル以上の芦ノ湖から一気に駆け下りる「箱根駅伝6区の山下りメンバー」です。急勾配の下り坂による凄まじい衝撃に耐えうる強靭な前太ももの筋力と、カーブを最短距離で攻めるテクニックが求められます。ここで区間記録に迫る57分台の走りが出れば、1分以上のタイム差など瞬く間に縮まります。
海岸線特有の向かい風と寒暖差が待ち受ける7区・8区、そして「復路のエース区間」と呼ばれる23.1kmの9区は、各校のエース格が火花を散らす激戦区です。終盤の勝負どころで箱根駅伝のエース投入理由として監督陣が口を揃えるのは、「中継所手前の遊行寺の坂を越える粘り強さ」と「前を追う単独走でのペースメイク力」です。
そして最終章、大手町・読売新聞社前の大歓声が待つ箱根駅伝10区メンバーのアンカーへとタスキが渡ります。歓喜の総合優勝テープを切るランナーの背後では、わずか数秒の差で天国と地獄が分かれるシード権争いが繰り広げられます。