ブレーキホールドを日常的に使用する上で、最も警戒すべきはシステムへの過信から生じるブレーキホールドの危険性です。特に重大な損害や事故に直結する事例を解説します。
代表的な盲点がブレーキホールドの洗車時注意点です。ガソリンスタンド等のドライブスルー洗車機(コンベアで前輪を引くタイプのドライブスルー洗車機)を利用する際、ギアを「N(ニュートラル)」に入れる指示が出されます。しかし、ブレーキホールドがONのまま停止して足を離すと、システムが作動してタイヤを油圧ロックしてしまいます。コンベアが強制的にタイヤを押し出そうとするため、洗車機コンベアからの脱輪、タイヤの偏摩耗、センサー破損や洗車機フレームの破損事故に発展する事例が後を絶ちません。洗車機に入る前には「必ずブレーキホールドをOFFにし、アイドリングストップも停止する」ことが鉄則です。
さらに見過ごせないのがブレーキホールドによる誤発進リスクです。
- 足の置き場迷子と踏み間違い:ペダルから足を離してリラックスしている際、とっさの事態に「ブレーキを踏んだつもりでアクセルを床まで踏み込んでしまう」ヒューマンエラー。
- 荷物や同乗者の接触:運転席足元に落ちたペットボトルを拾おうとして体が傾き、誤ってアクセルを蹴ってしまうトラブル。
- 発進ショックのタイムラグ:上り坂や段差でアクセルを多めに踏み込んだ際、油圧解除とトルク伝達のタイミングが重なり、急加速してしまう現象。
システムが作動中であっても、右足は常にブレーキペダルの直上に構えておく意識が、不意の飛び出しを防ぐ唯一の防壁となります。