彼の表現力の原点を辿ると、伝説的な舞台『滝沢歌舞伎ZERO』での過酷な経験に行き着く。一瞬の妥協も許されない極限の空間で、指先の角度一つから視線の配り方に至るまで徹底的に叩き込まれた舞台演劇の基礎。それは現在のグループパフォーマンスにおける圧倒的な安定感へと直結している。
演劇の現場で培われたのは、フィジカルの強さだけではない。空間全体を掌握し、共演者の呼吸を読み取りながら自らの役割を瞬時に全うするアドリブ力と順応性。スポットライトが当たっていない瞬間であっても、決して役の感情を切らさないそのストイックな姿勢こそが、演劇関係者から「どんな舞台でも安心して任せられる表現者」と高く評される所以だ。