業者選定において管理組合が直面するのが、「設計監理方式」と「責任施工方式」の選択です。従来は中立な第三者が工事をチェックできる「設計監理方式」が推奨されてきましたが、近年はこの方式を悪用した不正が社会問題化しています。
設計監理方式と責任施工方式の根本的な違いは以下の通りです。
- 設計監理方式:コンサルタント会社が劣化診断・仕様書作成・施工業者選定補助・工事監理を行い、施工は別会社が請け負う方式。専門性を持たない理事会をサポートする利点がある一方、コンサル費用が発生する。
- 責任施工方式:1社の施工業者が診断から仕様策定、施工までを一貫して請け負う方式。中間マージンが省ける反面、工事品質の第三者チェックが働かないリスクがある。
注意すべきは、設計コンサルタントが特定の施工業者と裏で結託し、意図的に高い工事費で落札させてバックマージン(リベート)を受け取る「悪質コンサルタントの談合」です。国交省も注意喚起を出しているこの手口には、典型的な兆候が存在します。
「コンサルティング業務の委託費が相場より極端に安い」「推薦してくる施工業者が特定グループに偏っている」「公募条件に過剰な実績縛りを設け、他社の参入を排除しようとする」といった挙動が見られた場合、談合が行われている可能性を強く疑う必要があります。業者選定の評判を調べるだけでなく、公募要領の策定や開札作業を理事会主導で透明化することが不可欠です。