重工業界全体に課された最大の課題、それが「グリーン・スチール(低炭素鋼)」への移行だ。CO2排出量が極めて多い高炉(石炭を使用)から、再生可能エネルギーを活用する電炉へのシフトは、もはや待ったなしの状況にある。
ここで注目されるのが、先進的な電炉技術「ビッグ・リバー・スチール」を抱える旧来の生産基盤との融合だ。日本製鉄が誇る高級鋼板の製造技術と超ハイテン(高張力鋼板)の製造ノウハウが注入されることで、EV(電気自動車)向け高級鋼板の北米現地生産が一気に加速する。莫大な初期投資を要する脱炭素化は、単独の企業体力では困難を極める。日米のノウハウが融合することで、北米市場におけるグリーン鋼材のシェア争いは新たな次元に突入した。