1便の飛行機を飛ばすか、あるいは引き返すか。その重大な決断を下すのが、航空会社の頭脳である運航管理者(ディスパッチャー)です。彼らは気象庁から送られてくる高解像度の雨量・風速データ、上空のウィンドシアー(局所的な風の急変)、雲頂高度などを細かく分析し、国土交通省航空局が定める安全基準と照らし合わせて飛行計画(フライトプラン)を練り直します。
台風の進路がわずか数十キロずれるだけでも、空港周辺の滑走路に吹き付ける横風成分は劇的に変化します。着陸復行(ゴーアラウンド)や目的地変更(ダイバート)のリスクを極限まで排除するため、運航管理者はパイロットと綿密な無線連絡を取り合いながら、安全限界を見極めています。