電線の鳥害対策を巡っては、インターネット上で危険な民間療法や制度への誤解が散見されます。無用な事故やトラブルを避けるために、正確な事実を整理しておく必要があります。
代表的な誤解の一つが、「自分で電線に光るCDやテグスを巻き付ければ安上がり」という発想です。電線は6,600ボルトの高圧線が通る極めて危険なインフラであり、伸縮棒や脚立を用いて電線に近づく行為は感電死のリスクを直結させます。また、道路上に張り出した電線への無許可工作物設置は道路交通法違反にも抵触するため、個人による電線への直接作業は厳禁です。
二つ目の盲点は、「電柱から自宅の外壁へ引き込まれる線(引込線)」の扱いです。本線の電線は電力会社やNTTの負担で対策されますが、自宅の敷地内にある「引込金具」や「外壁のメーターまわり」は需要家側の管理領域とされる場合があり、どこまでを事業者が無償対応してくれるかは現地調査時の確認が不可欠です。
三つ目は、「一度設置すれば一生安心」という思い込みです。鳥除けワイヤーや樹脂製ニードルは強風や紫外線にさらされ続けるため、10年近く経過するとワイヤーが緩んだり樹脂が劣化して折れたりすることがあります。部材の脱落や緩みを発見した際も、事業者に連絡すればメンテナンスとして再補修を受けられます。