田口恵美子は1990年代、テレビ東京を代表する人気アナウンサーとして活躍していた。成城大学卒業後に入社し、持ち前の聡明さと落ち着いた語り口、そしてどんな状況でも動じないインタビュー技術で、報道から情報番組まで幅広く担当。単なる「女子アナ」の枠に収まらないプロフェッショナルとしての実力は、当時から局内でも高く評価されていた。
そんな彼女が1998年、キャリアの絶頂期に結婚を選び、惜しまれつつ退職したことは大きな話題を呼んだ。嫁ぎ先である松岡家は、実業家や文化人を多数輩出してきた屈指の名家。華やかなマスコミの世界から伝統ある家柄へと身を投じる決断は、並大抵の覚悟でできるものではない。彼女は自らのキャリアに未練を残すことなく、夫を支える伴侶としての新たな人生を力強く選び取った。