「自分はおばあちゃん子だったから大丈夫」と思い込もうとする人ほど、無意識に心の中で深刻なトラウマの兆候を抱えている場合がある。最新の心理学研究や臨床現場の知見から浮かび上がってきた、大人への具体的な影響と兆候は以下の通りだ。
第一に、「過度な承認欲求とインポスター症候群」である。祖母から条件付きの愛(良い子でいることへの賞賛)を受けて育った場合、他者からの評価を過剰に求める一方で、どれほど成功を収めても「自分は中身のない偽物だ」という恐怖から逃れられない。第二に、「親密な人間関係への恐怖と回避」だ。特定の人と距離が縮まると、突然息苦しさを感じて自ら関係を断ち切ってしまう。これは「最も愛してほしかった親に愛されなかった」という記憶が無意識に呼び覚まされ、再び傷つくことを防ぐための防衛機制である。
そして最も警戒すべきは、世代間連鎖(ファミリー・トラウマ)の罠だ。親自身もまたその親(祖父母)から適切な愛情を受け取れず、その結果として育児を祖父母に依存したり、我が子と健全なアタッチメントを形成できなかったりする。この情緒的な未熟さのバトンは、無自覚のまま放置すれば次の世代へと受け継がれてしまう。自分が感じている空虚さの正体が「親の世代から続く未解決のトラウマ」であると知るだけでも、長年背負わされてきた精神的重荷を降ろす第一歩となる。