クラタスの名を世界史に刻むことになった最大の転換点が、2015年6月に勃発したアメリカのロボット開発チーム「MegaBots(メガボッツ)」からの対決挑戦状でした。星条旗を身にまとったメガボッツ開発陣が「お前たちのロボットをバラバラにしてやる」と挑発的なビデオメッセージをYouTubeに公開したのです。
これに対し、倉田光吾郎氏は日の丸を背負った動画で返答。「巨大ロボットは日本の文化。他国に勝たせるわけにはいかない」「ぶん殴り倒して勝つ」と格闘戦(近接格闘)のルールを条件に挑戦を承諾しました。このプロレス的かつ熱狂的な演出は、世界中のメディアでトップニュースとして報じられました。
約2年の準備期間と機体改修を経て、2017年10月に廃工場特設リングで日米巨大ロボット決戦の模様がネット配信されました。その結果と展開は以下の通りです。
- 第1ラウンド(vs Iron Dassie):クラタスが驚異的なダッシュから繰り出した左ストレート「アイアンパンチ」が炸裂。わずか数秒で相手機体を一撃でなぎ倒し、秒殺ノックアウトでクラタスが先勝。
- 第2・第3ラウンド(vs Eagle Prime):重量12トンを誇る大型後継機イーグル・プライムが登場。重量差と巨大チェーンソーの攻撃に押され、最後はアームを機能停止に追い込まれて惜敗。
勝敗を超えて、両者が繰り広げた泥臭い鉄と鉄のぶつかり合いは「SFが現実になった瞬間」として世界中から惜しみない称賛を浴びました。その後、対戦相手のメガボッツ社は資金繰りの悪化により2019年に破産手続きを行い、機体はオークションで売却される結末を迎えました。一方の水道橋重工は「やりたいことをすべてやり切った」として、巨大ロボットによるエンタメバトルプロジェクトに一つの区切りをつけました。