かつて子供の遊びと侮られていたじゃんけんは今、チェスやポーカーと並ぶマインドスポーツとしての地位を確立しつつある。日本じゃんけん協会をはじめとする専門組織は、ルールの標準化やメンタルトレーニングの重要性を広く発信してきた。
競技シーンにおけるトッププレイヤーたちは、相手の指先の微小な筋肉の動きや呼吸の乱れ、視線の泳ぎを見逃さない。掛け声のテンポを微妙に揺さぶり、相手の思考時間を奪うことで、筋肉が最も反応しやすいグーを誘発させる高等戦術も日常茶飯事だ。
運の要素を極限まで削ぎ落とし、確率と心理誘導で対戦相手を支配する。その技術体系は、ビジネスの交渉術やトップアスリートのメンタルコントロールとも完全に軌を一にしている。