『フランダースの犬』の舞台はベルギー!オランダ説の誤解と聖地の今

『フランダースの犬』の舞台はベルギー!オランダ説の誤解と聖地の今

『フランダースの犬』の舞台はベルギー!オランダ説の誤解と聖地の今の注目ポイントを丁寧に掘り下げてご紹介します。

日本人の心を揺さぶり続ける物語ですが、実はベルギーの民話でも伝説でもありません。生みの親は、19世紀のイギリス人女性作家ウィーダ(Ouida、本名マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー)です。彼女が1871年にベルギーを旅した際、現地で見かけた荷車を引く大型犬の過酷な扱いと、当時の過酷な農村社会の貧困に強い衝撃を受け、翌1872年に発表した児童文学が『A Dog of Flanders(フランダースの犬)』でした。

物語のあらすじは、過酷を極めます。アントワープ近郊の村で祖父ジェハンと暮らす心優しい少年ネロは、瀕死の重労働犬パトラッシュを救い出して家族のように暮らしていました。ネロの夢は、大画家ルーベンスのような絵を描くこと。しかし、最愛の祖父の死、風車小屋の火災の濡れ衣、頼みの絵画コンクールの落選と、過酷な試練が次々と少年に襲いかかります。

クリスマスの夜、すべてを失ったネロは吹き荒れる吹雪の中、アントワープの大聖堂へと辿り着きます。そこで奇跡的に姿を現した憧れのルーベンスの祭壇画を目にしたネロは、寄り添ってきたパトラッシュとともに静かに息を引き取る――。このあまりに悲哀に満ちた結末は、弱者が救われない不条理な社会構造への強烈な批判でもありました。

伊藤 翔太
Author

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。