てんさい糖が「体に優しい」と語られる最大の理由は、未精製に近いイメージにある。しかし、化学的な組成を客観的に見れば、その実態は紛れもない砂糖そのものだ。テンサイ(甜菜)を原料とするてんさい糖の固形分中、およそ85〜90%前後を占めているのはショ糖(スクロース)である。
ショ糖(スクロース)は体内でブドウ糖と果糖に瞬時に分解され、エネルギー源となる一方で、過剰になれば中性脂肪へと姿を変える。一般社団法人日本糖業協会が公開している成分規格を見ても、上白糖のショ糖純度が99%以上であるのに対し、てんさい糖はわずかに水分や微量ミネラルを含む程度で、カロリー面では100グラムあたり約390キロカロリーと上白糖(約384キロカロリー)と大差ない。「天然由来だから太らない」「どれだけ使っても安心」という思い込みこそが、代謝系疾患を招く最大のトリガーになり得る。