公平と平等を語るうえで避けて通れないのが、「機会の平等」と「結果の平等」の対立構造です。
「機会の平等」とは、挑戦するチャンスをすべての人に開放することです。これに対して「結果の平等」は、誰がどれだけ努力したか、あるいは怠けたかに関わらず、最終的なリターン(給与や成績)を全員一律に揃えようとする設計を指します。
運動会で全員が手をつないで同時にゴールするような極端な「結果の平等」を組織に持ち込むと、多大な成果を上げたハイパフォーマーのモチベーションを削ぎ、組織全体の生産性を著しく停滞させる「悪平等」という病理に陥ります。
社会心理学や行動経済学の研究でも、人は「自分のかけた労力に対するリターンの割合」が他者と比較して妥当であると感じたときに最も高い協調性とやる気を示す(公平理論)ことが実証されています。単に一律に分ける平等を押し付けることは、時として努力した人に対する「著しい不公平」を生み出すというパラドックスを忘れてはなりません。